新入社員用人材育成プログラムで早期戦力化
企業の現状と経営課題
1 社員数:10名〜15名 → 30名〜40名
2 当時の現状と経営課題
i 新入社員の戦力化が遅いことによる離職
・成果をあげられる人材に成長しない
・組織風土としては仲良し型ではあり、雰囲気は悪くはないが育成・成長に対するコミットがなかった
・人によっては、ただ作業を教えているという状況もあり、作業を覚えてしまっている傾向にあった
・戦力化に3年かかってしまう
・OJTは行っているが、いつまでにどのような業務ができるようになればいいのか?などが全社で統一することができておらず、人によって言うことが違うということが発生しており、新入社員が混乱していた
・新入社員に対する誤った優しさから、仕事を少しずつ任せていたため、業務を一人で任せられるレベルになるまで3年間も時間がかかっていた
・また、人によっては3年も立たない内に、優秀な人材から成果(顧客及び社内への価値提供ができない)をあげられないかつ給与も上がらないため、離職をしてしまっていた
・俺の背中を見て育てのような育成方法
・いつまでにどのような知識を習得する必要があるのか?何を経験すべきなのか?どのようなスキルが必要なのか?などが明文化されていなかった
・教育担当者も曖昧であり、人によっては背景・目的などは説明せずにどのようにやるのか?などを簡単に説明するようなやり方をしていた
・また、他の社員も非協力的ということはないが、全員が「聞かれれば」教えるというレベルに留まっていた
1. 取り組む目的
1 新入社員の早期戦力化のために新入社員の成長に全員がコミットする、また「育成の連鎖」を発生させ、全員が相互に成長し合う組織創りを行うため
i 当社の組織・人事に対する考え方を言語化
・育成の考え方は全社員が同じ考え方でやるべきであったため、言語化をして社員に浸透する
ii 人材育成プログラムを構築・運用し、早期戦力化を実現
・人材育成プログラムを構築し、全社員がいつまでにどのような到達目標として設定しているのか?を言語化し、プログラムへと落とし込む
iii 成長にコミットすることで関わる全員が成長していく組織へ
「誰かがやる」ではなく、全員が新入社員の成長にコミットするような組織へと変革する
2. 成果(どう変わったのか?)
1 新入社員が3年→1.5年で戦力化できるようになり、社員の定着率も向上した
i 人事ポリシーが明確になった
・当社が何を目指すのか?が明確になり、人によっては成長のために投資するようになった
・組織の考え方、人事の考え方、当社の求める人物像、成長体系図、育成・成長の考え方を言語化することができた
ii 新入社員1年目・2年目の人材育成プログラムが構築できた
・人材育成プログラムとして3年後のあるべき姿を作った上で、1年目・2年目それぞれのプログラムを構築した
・目的が薄く動画を見るなど意味のない時間の使い方が減り、何のためにやるのか?が明確になり、成長スピードが上がった
iii プログラムを運用することで教育担当者の成長にも繋がり、全体的な組織力が強化された
・運用面においても、教育担当者・教育責任者が新入社員の良き相談相手として責任を持って運用を任せることができた
・また、任せることによって、ティーチング・コーチング・フィードバックの能力が向上し、MTGやその他の関わりで良い影響が出た
3. 実行アクションサマリー
1 人事ポリシーの策定 ※一部抜粋
ii 組織・人事の目的
iii “組織“ ”ヒト“に対する考え方の指針
・組織の方向性
・人事関連の制度
・採用・育成・定着
・ブランド
iii “組織”の考え方・指針書
・組織とは何か?
・組織はなぜ存在するのか?
・当社の組織コンセプト・考え方
・組織の機能・要素
・取締役(ボードメンバーの役割)
・役職者の役割
・心理的安全性・エンゲージメント
iv “人事”の考え方・指針書
・人事とは
・人事の基本的な考え方 ※個人のビジョンの大切さ
・成果に対する考え方
・評価・処遇に対する考え方
・役職・役割に対する考え方
・働き方・ライフステージに対する考え方
・生産性に対する考え方
・インテグリティ・リーダーシップ・コミュニケーション
v 育成の考え方・指針書
・育成の基本的な考え方
・長所伸展・個性とは
・新入社員の育成について
・自立と自律
・人の成長とは
・個人のビジョンへフォーカス
2 人材育成プログラムの構築
i 人材育成プログラムの全体像を作成し、1年目における到達目標を設定した
ii ただ、前提として、早く成長していく人材については、前倒しで仕事を任せていき、成長を阻害しないようにサポートを行う
3 人材育成プログラムの運用
i 様々なことにおいて最も重要なのが、「運用すること」であるため、運用ファーストで教育責任者・教育担当者が責任を持って進めることを重視した
ii まずは全体向けの説明会を開催した
iii 特に面談の仕組みが重要であるため、コミュニケーションを取りながら一緒に成長していくスタイルを採用していた、ただ、新入社員に迎合するようなやり方は取らず、言うべきことは言う、伝えるべきこと伝えることで自ら考える人材にさらに成長するようになった
4 Focus and Createの立ち位置
1 人材育成アドバイザリー&実行支援 後に外部CHRO
i Focus and Createは、組織人事アドバイザリー&実行支援の立場として、組織人事領域を担当
ii 人材育成プロジェクトのプロジェクトマネージャーとしてプロジェクトを統括し
iii 新入社員用人材育成プログラムの構築・運用を実施
iv 後に役職者の成長のための企画〜構築〜運用を実施
5 アクション実行のポイント
1 育成・成長の考え方を明文化し、全員で説明・理解・浸透を促したこと
i 人材育成プログラムを構築することももちろん重要であるが「何のためにやるのか?」「なぜやるのか?」「当社はどこを目指しているのか?」を言語化し、全員に説明+周知を図ったことである
ii また、一方的に伝えるだけではなく、説明会でディスカッション&ワークを行い、一緒に考えるための時間を創った
6 今後の展望
1 新入社員が活躍し、個人のVisionを考え・行動できる会社へ
i これから管理は必要なく、全員リーダーシップを発揮し、組織のVisionだけではなく個人のVisionを大切にしていく会社へと成長をしていく
ii 新入社員が活躍することで、その次に入社してくる社員がその背中を見て成長できる会社を創る
iii 育成・成長の連鎖をしていくことで新たな役職者が生まれ、次世代につなぐいい会社が生まれていく