30 評価シートの設計とは?「評価項目の切り口をどう決めるか?」

当然ですが、評価シートは100社100様であり、
自社に適した評価シートを設計する必要があります。
ただ、公平性・運用面を踏まえたフォーマットはあるため、
その前提で説明をしていきます。
これから実際に評価シートを作っていく上で、
まず始めに決定するのが評価分類です。
評価シートは一度作って終わりではなく、
実際に運用した結果を振り返り、
定期的に見直す前提を持つことが重要です。
(定期的とは、最低でも半年に1回)
運用で課題が必ず出るため、
改善サイクルを組み込みます。
最初から完璧を目指すよりも、
まずは形にして運用を始めることが、
評価制度の定着にとって大切な一歩となります。
評価シートで言えば、
80%を目安に作成することをおすすめします。
ハードルを高く設定しすぎずに
取り組んでみましょう。
■評価シートはどう作る? 設計の考え方と進め方
評価シートは単なるフォーマットではなく、
自社が何を大切にし、
どのような成長を期待するかを明文化する仕組みです。
まずは全体像を捉え、
制度の目的(処遇・育成・動機づけ)を整理したうえで、
段階的に設計を進める必要があります。
詳しくは、コラム28をご参照ください。
https://focre.co.jp/column/1423/
多くの会社が、
①成果・業績
②プロセス(行動・取り組み姿勢)
③スキル(専門性・技術力)
④マインドやスタンス(価値観・行動指針)
⑤役職者としての行動
といったイメージで大きくわけるケースが多いです。
そしてそのウェイト付けが会社の方向性、
大切にしたいことによって変わるケースがあります。
ただ、人事評価制度を導入していない、
また目標を導入することは実は結構ハードルが高いです。
評価を処遇に反映する場合には、
目標はまずは除外することをおすすめします。
その理由は、目標を立てるということが
意外にハードルが高いということもあり、
公平性が最初は担保ができずに不満につながり、
人事評価制度に対して懐疑的になるケースがあるためです。
例えば、資格取得を目標にするのはどうでしょうか。
これに関しても職種によって変わるので、
公平性を担保するのが難しいケースがほとんどです。
目標については、別途目標管理制度といった
仕組みを導入する必要もあります。
この段階では、
まずはプロセス・スキル・マインドスタンス、
リーダーシップ&マネジメントに絞って創ることをおすすめします。
■評価分類の設計を行う
評価の軸(成果、プロセス、スキル、マインドなど)を
どのように設定するかを決定します。
自社が評価を通じて、
「何を重視したいのか」を言語化することが
最初のステップです。
分類を決める際は、
会社がどの行動や成果を最も重視するのか、
どのような文化を育みたいのかを明確にする必要があります。
方向性が不明確だと、
項目設計や評価の運用に
一貫性がなくなるリスクがあります。
なので、評価分類は
等級や役割定義と整合させることが重要です。
等級が上がるほど求められる水準や観点が変わるため、
評価分類がその基準と連動している必要があります。
例えば、
・課長クラス=マネジメントを重視する
・専門職=プロセス・スキルを重視する
・新入社員=マインドスタンスを重視する
などといったイメージです。
評価分類は、評価の「軸」になる
下記のように設計をすることがおすすめです。

会社の文化や等級など、整合性を取るためにも
マインドスタンス・スキル・プロセスなど
各ウエイトを調整しながら評価をしていきましょう。
■評価項目・具体的行動を設計する
評価分類をもとに、
「具体的に何を評価するか」
を言語化していく工程です。
現場での具体的行動を
評価項目に落とし込むことがポイントです。
等級要件書や職種定義書を参照し、
等級ごとに求められる役割・行動レベルを整理します。

評価者が同じ基準で判断できるよう、
行動例や期待水準を明記し、
主観によるばらつきを減らす工夫が必要です。
「何をどこまでできれば評価が高いのか」を明確にすることで、
納得感の高い運用が可能になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
最初から完璧を狙うのではなく、
80%ほどの水準を目安に評価シートを作成・運用し、
定期的に見直していきましょう。
評価項目の設計についても、
社員へ求める現場での具体的行動を
落とし込んでいきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました!