11 中小企業が人事評価制度を設計する際のポイント「キャリアパス」
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のVision実現のために、中小企業の経営者・役職者に向けた実践的なコラムをUPしていきます。
企業が成長していく上での、1つのきっかけになるような記事を創っていきます。
今回は、中小企業が人事評価制度を設計する際のポイント「キャリアパス」についてご紹介します。
自社の人事評価システムにも活かせるところはないか?という視点で見ていただけたらと思います。
1.いきなり評価から入らない
人事評価制度を設計する際に、最初から「評価はどうしていこうか」と考えていませんか?会社のビジョンや長期経営方針が定まっていないと企業がどこへ向かいたいのかが不確定なままになってしまいます。
そのため、具体的な「評価」から入るよりもビジョンや長期経営方針を先に明確にすることが重要なポイントになります。
ビジョンとは
会社の「夢・ありたい姿」です
・私たちはどこを目指して進んでいるのか?
・私たちは将来、どんな景色をつくり出したいのか
に対する答えです。
Visionを検討する際には、下記を考えることで明確になります。
1 中核となる価値観
・指針となる原則と信条の体系
・人生に対する哲学
・絶対に遵守すべき原則
2 存在意義
・こうなりたいなと思うこと
・自分自身が存在する理由
・存在意義・指針・意図
3 目標
・意欲をかき立てる野心的野望
・明確なゴール設定
・心揺さぶるリスクあるゴール
です。
ビジョンに正解や答え、正しいや間違いはありません。自分が想うことから 始めてみて下さい。考えること・自分の意思(意志)を書くことに意味があります。
2.まずは入社してどのように成長してほしいのかを考える
社員が入社して「どのようになりたいのか、成長していきたいのか」は会社としても重要な部分です。会社がなってほしい人物像と社員がなりたい姿が一致していなければ、お互いにとって良い関係を築いていくことが難しいでしょう。
会社・社員がそれぞれ不幸な道に進まないためにも、組織の価値観をしっかりと見える化し、全体のコミュニケーションも活性化していくことでwin-winの関係を築く第一歩を踏み出すことができます。
そのためにも人事評価制度のコンセプトと目的を整理することをオススメします。
下記が例です。
【人事評価制度のコンセプト】
①経営者・役員・社員それぞれが不幸にならないように組織の価値観を見える化・シェアすることで組織全体の対話・議論を活性化していく
②組織の対話・議論が活性化することで個人の将来設計・収入設計・目標設定が組織と融合していく
③上記によりエンゲージメントが高まり、個人のやりがいが醸成され結果として組織の業績アップも実現される
④コミュニケーションデザインとして、継続的なフィードバックとコーチングにより相互に成長をしていく組織を作る
⑤個人の将来設計に応じた役割を新しく作っていく
【目的】
①業績アップ
・業績が上がる(あげる)
②組織の価値観浸透
・組織のビジョン・コアバリューを浸透する
③幹部・役職候補者の育成
・自律的な人材を育成していく
④対話の促進
・コミュニケーションで解決しないことは存在しない
⑤キャリア形成
・社員の在り方・生き方・やりたいことにフォーカスをする
3.キャリアパスの構築
【キャリアの定義】
キャリアとは、役職・職務だけでなく
・「働くこと」も含めた自分自身の生き方をどうしていきたいのか
・仕事面においては「職業」「職務」「領域」でどう成長していきたいか
・プライベート・家族面も含めて幅広く人生を自分がどう生きていくのか
です。
【コース】
管理職以外のキャリアパスとして、専門的な業務で成果を上げる社員を処遇をするための制度です。付加価値の高い専門性が高い業務を求められることが多くなり専門性の高い社員も重宝される時代となり、市場価値も含めて社員の適正な賃金を支払うことができるようにするためにもコースが必要だと考えています。
下記がキャリアパスに対する年収イメージです。
①コースのイメージ
・各個人の長所を活かすためにコースを導入している
・個人のVisionに基づきコースの希望を出すことができる
・最終的には個人の意志と適性に応じて、組織として決定がなされる
②各コースについて
スタッフコース【Sコース】
・自己の成長にリーダーシップを発揮し、セルフマネジメントし成長する役割
・新入社員からベテラン社員まで現場実務を担当し、責任を持ち業務遂行
サービスサポートコース【SSコース】
・組織全体の調和を図るためのリーダーシップを発揮し、社員をサポートする役割
・社員をサポートすることで、社内の生産性アップを図るコース
マネジメントコース【Mコース】
・ビジョンを追求・達成するために、組織全体のマネジメントを行う役割
・ビジョンを追求・達成するために、組織全体にリーダーシップを発揮する社員
・組織全体及び自身が管轄する組織に対してリーダーシップを発揮し、チームビルディングを行う
・社員ひとりひとりの能力を引き出し、成果を上げる役割であり、組織のビジョン実現に向けて組織の成果に責任を持つもの
プロフェッショナルコース【Pコース】
・ビジョンを追求・達成するために、組織全体の専門性および社員の専門性の向上にリーダーシップを発揮する役割
・特定の分野において高度な能力(ノウハウ・ナレッジ)を持ち、その能力を組織で活用できるように体系化し、組織全体の能力向上に寄与する
・組織のビジョン実現に向けて組織の成果に責任を持つもの
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は中小企業が人事評価制度を設計する際のポイント「キャリアパス」についてご紹介させていただきました!組織を作っていく上で、会社のビジョンや評価制度などは非常に重要な役割を担っています。いつまでも会社や社員の幸せ・なりたい姿について考え続けていきたいですね。
ここまでご覧いただきありがとうございました!