05 組織化1.0
Focus and Createは「次世代につなぐいい会社を創りつづける」
のVision実現のために、中小企業の経営者・役職者に向けた実践的なコラムをUPしていきます。
企業が成長していく上での、1つのきっかけになるような記事を創っていきます。
今回は、組織化1.0【計画遂行型組織】の状態 シリーズ2/4についてお伝えしていきます。
1. 組織化1.0の抽象イメージ
【プラスの捉え方】
トップの計画を着実に遂行する組織
【マイナスの捉え方】
指示待ち組織×言われたことはやる×受け身×他責思考
組織化 1.0 とは「計画遂行型組織」のことを指します。
典型的なピラミッド型組織です。経営方針自体はトップダウンであり、組織として現場の実務レベルにおいては、管理職及び社員で問題なく回っている状態が多いです
役職も存在しており、部長・課長が現場実務を回すためのマネジメントを行っています。また、単年度計画などは存在しており、トップダウンでおりてきた数値計画を達成するために社員は可能な範囲で動きます。ただし、安定が重要なため無理な業務は行いません。
現場実務は回るため、社員数 20 名~25 名までは成長できますが、経営やビジネスが分かる人材が不在のため、微増の成長(3%~5%)が見込めます。
2. 組織化1.0【計画遂行型】の全体感
①概念
・【AMVER型組織】指示・命令・ルール・再現性重視型組織
②概要
・ピラミッド型組織でありトップのやりたいことを忠実に実行する
・変化ではなく安定・現状維持を求めて、前例を踏襲したルールを遵守する可もなく不可(負荷)もない組織
③経営方針
・トップダウン
④人(社員)
・トップが考えた方針を疑わずに社員は忠実に動く
・変化を求めずやるべきことを忠実にやる(再現する)
⑤組織
・組織図があり固定化された上下関係と役割分担である
・基本的に自分自身の職務内容のみを遂行する
⑥情報
・一部の役職者のみ情報は開示されてはいる
・基本はトップがすべての情報を独占している
⑦評価
・トップの計画を遂行し、ノルマを達成したか?の評価
・規律・ルールを守るための評価
・トップダウンの組織的目標で評価
⑧処遇
・年功序列や経験年数に応じた処遇
・固定化された役職ごとに処遇
・処遇格差の根拠が不明
3. 組織化1.0の戦略レベルのチェックポイント
「戦略」レベルのチェックポイントです。
【全社戦略】
①在り方
・ トップの考え方を言葉で伝えている
・ Vision・Valueなどはなんとなくあるが、額縁に入っている言葉で魂が入っていない
②会社の軸
・ 会社の方向性・在り方ではなく、数値計画を重視した中期的な計画がある
・ 経営方針発表会はトップが一方的に数値計画や今期の実施事項を伝える場となっている
③ブランド
・ ブランド(自社の提供価値)が言語化はされてはいるが、社員には浸透できていない
④DX
・ デジタイゼーションができている
⑤リスクマネジメント
・ リスクマネジメントの考え方を明確にしている
・ 一部の社員にリスクマネジメントの意識が醸成されている
・ コンプライアンスの概念はあるが、コンプライアンス意識を向上させるためのきっかけなどは作っていない
【組織人事戦略】
①組織デザイン
・ 組織デザインがなく、既存の延長線上での組織の方向性を考えている
②組織文化
・ 心理的安全性はそこまで低くはないが、高くもない
・ 仕事・成果に対する基準は低いため、ヌルい組織である
③インテグリティ
・ ルール・規則を守るなどの最低限のことはやるが、
・ 当事者意識・期待されることを考えて行動をする・影響を考えて行動をする社員は少ない
(20%〜30%程度)
④リーダーシップ
・ 役職者の一部リーダーシップがある
・ 基本的には、責任を取りたくないため、責任者として行動をする社員は少ない
⑤キャリア・キャリアパス
・ 社員のキャリアまでは関われていないが、社員の将来に目を向けて始めている
・ キャリアパスは明確なものは存在していないが、漠然としたものはある
⑥No.2
・ 老舗企業の場合は、これまでの延長線上のNo.2が存在している
・ それ以外企業は、No.2は不在ではあるが候補は存在している
⑦役職者(管理職/専門職)
・ 役職者は存在しているが、年功序列もしくは経験年数で選ばれているためマネジメントはできていない
・ 役職者の候補は存在しているが、昇進させるきっかけがない
・ トランザクショナルリーダーシップが中心である
⑧間接機能(総務/システム/人事)
・ 総務機能を管轄する正社員(役職者)が担っている
・ システム機能を担う人材を採用し、専任化している
・ 人事機能はトップ及び役職者が担っている
【オペレーション】
①生産管理
・ 生産管理の仕組みを構築に取り掛かっているが、組織デザインが曖昧なため進捗が芳しくない
②進捗管理
・ 各チーム単位で進捗管理は行っているが、全体の見える化ができておらずチーム単位での進捗管理を行っている
③時間管理
・ 時間当たり生産性の仕組みはできているが、活かす仕組みがない
④品質管理
・ 品質管理においては、最低限の品質は保たれているが、その下限品質は数年同じ状態が保たれている
・ 下限品質が上がっているとは言えない
4. 組織化1.0 6つのチェックポイント
下記の一つでも当てはまっている場合には、まだ組織化1.0の状態を脱却できていないかもしれません。
今回はあえてとても曖昧な表現を使っています。
曖昧でもそうだなと感じた場合には、改善していく必要があります。
一度セルフチェックをしてみることをオススメします!
①採用
・ 中途採用が中心である
・ 業界経験者を軸に人柄も見ながらまだまだスキル重視の採用を行っている
・ マインド・スタンス・価値観を踏まえた業界未経験者採用にチャレンジをしていない
②育成
・ 業界未経験者の育成においては、力業のOJTであり、具体的な育成プログラムや仕組みは存在していない
・とりあえず研修を受けさせるといった状態である
③定着
・エンゲージメントは 可もなく不可もなく の状態である
・【やりがい】はないことはないが、楽しく働けてはいない
・【組織への共感】現状の組織にそこまで不満はないが、長く働きたいとは思わない
・【チームワーク】チームワークはないことはないが、必要最小限の関わりである
・【健康的な職場環境】残業はそれなりにあるが、そこまで悪いという状態ではない
・【処遇】については、そこまで満足はしていないが、納得はしている
・ 人事評価制度の仕組みは作っているが、効果的な運用ができていないためあまり意味のない制度になっている
④システム(制度)
・ 社内ルールは存在しているが、守っている社員と守っていない社員がおり、徹底はできていない
・ ルールは作ったにも関わらず、守っているルールと守らなくてもいいルールが存在している
⑤労務
・ 労務管理の仕組みがあるが、管理及びマネジメントはできていない
・ 就業規則は存在しているが徹底はできていない
⑥情報共有
・ 最低限の情報共有はできているが、それ以上でもそれ以下でもない
・ 全体会議など情報を伝える機会は作っているが、形式的になっており伝えるべきことを伝えられていない
・ 会議体自体はあるが、意図的な会議体は設計されていない
まとめ
以上が組織化1.0の状態です!
チェックが付いた場合には、そこを改善していくことで他の項目の改善にもつながります。なぜなら上記の項目はすべて繋がっているからです。
「行動」のきっかけとなることを祈っています!